小型スーツケースの2段式の伸縮ハンドル(キャリーバー)はグラグラで脆い?
「2万円もするキャリーケースを買わせていただいたのですが、伸び縮みするハンドルの部分が安物のキャリーケースのように弱々しいものでガッカリです。二段に伸び縮みするようになっていて、左右が同じ高さで引き出せません。」
今回は頂いたご意見についてお答えいたします。店長の私も一推ししているエミネントプロのMサイズのお話ですね。
こちらのスーツケースは、大きなLLサイズや一番人気のジャストサイズLサイズは一段の伸縮ハンドルを採用しておりますが、一番小さなMサイズに関しましては二段式の伸縮ハンドルを採用しております。
確かに2段式は1段と比べて弱々しい印象を受けるかもしれません。どのメーカー品でも1段式に比べて評判が良くないのは事実でございます。
今回は、一見すると弱々しく見える2段式の伸縮ハンドルについて解説させていただきます。
2段式は小型のキャリーバッグに採用されることが多い
この2段式の伸縮ハンドルは、長いキャリーバーを収納しておくスペースの取れない小型のキャリーバッグ、とりわけ機内持ち込みサイズなどのSSサイズで広く採用さております。
30リットルから40リットル程度の機内持ち込みサイズのキャリーバッグですと、間違いなくこの2段伸縮式の伸縮ハンドルになります。少し大きくなっても50リットル台ですと2段式を採用しているモデルが多いような印象がございます。
いわゆるMサイズや中型サイズと呼ばれるような、50リットル代後半から60リットル台のスーツケースでは、1段式の方が主流になってまいりまして、2段式を採用しているスーツケースのほうが珍しくなっております。
今回お買い上げいただきましたモデルは60リットル強という容量で、このクラスですと1段式の採用モデルのほうが多くなっておりますが、こちらのモデルはやや高さを抑えた形状になっているため、2段式が採用されております。※Lサイズ以上は1段式。
2段式の伸縮ハンドルは強度に劣る?
それではこの2段式のキャリーハンドルはダメなものなのでしょうか?
結論から申し上げますと、今回お買い上げいただきましたエミネントプロに限って申し上げれば、強度に全く問題はございません。こちらのモデルは当店のレンタルでも採用しておりまして、強度に全く問題ないことを確認しております。
ただ、同モデルのLLサイズやLサイズの1段式の伸縮ハンドルに比べて、ガタガタして頼りないイメージが有るのも事実でございます。これは2段式の構造的な弱点で、やはり比べれば1段式の方に軍配が上がるのは疑いようのない事実でございます。
スーツケースを選ぶ際に、できることなら1段式のモデルを選んだほうが、よりカッチリして安心感があり、比べれば実際の強度にも優れるのは紛れもない事実ではあります。
しかし、スーツケースのどのパーツを取っても同じことなのですが、メーカーやモデル間の差のほうが大きいというのもまた事実なのです。1段でも2段でも、結局は良い商品を選ぶということが重要です。
結論から申し上げますと、1段でも2段でも商品次第ということになりますが、同じレベルの商品ならば1段式のほうがより優れているということになります。
左右が同じ様に引き出せないのですが
弱々しいイメージを受ける2段式のもう一つ大きな弱点としては、引き出す際に左右がずれて持ち上がってくることがあるという点です。
これも2段式の構造的弱点でして、安いものから高いものまでどのメーカー品でも起こりがちな現象になります。本当に高級なスーツケースでも2段式には起こりえます。
実際、伸縮バーがズレて出てくるから不良品だ!ということで、当店にも返品されてきたことが何度かございます。ユーザーの方の受け取り方によっては不良品とみなされてしまうのかもしれません。
引き出した際に左右対称にバーが持ち上がってこない場合は、一度最大まで引き出した後に、好みの高さまで下げて長さを調整すると左右が揃うようになります。
そんな事は面倒だと言われてしまえばその通りではあるのですが、2段式は構造的にその様になっておりますのでご了承くださいませ。本当にどのメーカー品でもこの傾向にあります。
商品間の差や個体差も結構あり、ものによっては2段式でもキレイに出てくるケースもあるのですが、逆になかなか頑固なものもございます。このあたりは個性としてかわいがっていただければ幸いです。
そんなのはイライラするという方は、やはり1段式のモデルを選んでいただいたほうがよろしいかと思います。何を隠そう、私店長も、実は圧倒的に1段式派なのです。